眠い
旭山動物園のメスのエゾシカ(2001年11月)

エゾシカとは

 ニホンジカ科ニホンジカの亜種エゾシカで、学名 Cervus nippon yesoensis (Heude)、英語は Sika deer です。
 日本全土に分布するニホンジカの亜種で、北海道全域に分布し、ニホンジカより大きくて、雄は体長90〜190cm・体重50〜130kg、雌は体長90〜150cm・体重25〜80kgです。夏毛は茶色、冬毛は灰褐色です。
 昼間森林に住むが、夜草原に出て草を食べることが多い。
参考文献:エコ・ネットワーク編「北海道 森と海の動物たち」(北海道新聞社,1997)
 北海道環境科学研究センター発行「北海道の野生動物(4)エゾシカの生態調査」(1998年3月発行)によると、94年95年の検討で雄の平均寿命は2.9〜3.1歳、雌の平均寿命は3.6〜3.9歳で、狩猟や、餌の欠乏する厳しい越冬生活という過酷な生活環境を表しています。

何処にいるか

 近年生息数が多くなり(2000年現在ではピークを過ぎて減少傾向に入ったようです)、札幌近郊でも見られることがありますが、特に多いのは、日高・十勝・釧路・根室・網走・北見にかけての道東一帯です。
 これらの地域では昼間でもシカの群に出会うことがあり、朝夕は、森に隣接する牧草地などに出て来ることがあります。
 私自身はこの他に道北で見たことがあります。

 知床の羅臼出身の看護婦さんが、札幌の仲間が何故シカを見て喜ぶか解らなかった、ふざけているのか、と思ったと言っていました。

 2000年度のニュースでも、釧路では住宅地にシカの群が来たのに、そっとしておけば森へ戻ると放置し、札幌では市内へ出たシカを追い回して、結局麻酔銃で眠らせて山へ返すということが、2度ほどありました。シカの生息密度の差が対応の違いになっています。

 ニセコ方面の林業関係者に聞いても、エゾシカは殆ど見ないと言います。釧路の隣町に住む知人は、夜ドド−とシカの足音がすると言っています。

斜里のエゾシカ(メス)
早春の斜里のエゾシカ。2頭ともメスです。(2001年4月9日)

推定生息数

 北海道は2000年7月18日、エゾシカによる牧草や樹木の食害が減らないことから、1993年度末で12万頭としてきた道東(釧路、根室、十勝、網走の4管内)の推定生息数を20万頭に上方修正しました。

 これまで多く見込んでも93年度の推定生息数の20%程度しか減少していないとみられることから、道は、過去の捕獲数や妊娠率などに基づいてシミュレーションを行い、推定生息数や捕獲目安の見直しを検討しました。

 道東が全道の食害の80%を占めることから、生息数も80%とすると、計算上、全道では2000年度は、20万頭のエゾシカがいることになります。
 各種調査結果を見ても、近年エゾシカの数は減少しつつあるようです。

エゾシカによる林業・農業被害

若いメス(2002/8/10/美幌町)  道によると、道東のエゾシカによる農林業被害は、96年度の42億円をピークに減っていますが、1999年度も36億円に上っており、「猟期の延長などで捕獲数を増やし、農林業被害を減らしたい」としています。

 現在道東の殆どの畑地と森の境界には、立派な防鹿フェンスが立っています。
 阿寒方面などのシカの多い場所では、冬に皮をシカに食べられた樹木が国道からも見られ、林業関係者には若木の食害が深刻な問題となっています。中標津の林業会社社長は「鹿は林業の天敵」と言っています。

現在のエゾシカ猟

 1999年度はメスジカ3万3000頭、オスジカ2万6000頭の計5万9000頭が捕獲されましたが、北海道は生息数を上方修正するとともに、2000年度のメスジカ捕獲を「異常繁殖せず、激減しない範囲」を目安とし、前年度の目安2万3000頭より65%多い3万8000頭に設定しました。

1999年度のエゾシカ猟

1)釧路、十勝、網走(斜里町を除く)3管内の猟期終了を1カ月延長し、11月1日〜2月28日とする。

2)オスの捕獲に限っていた旭川、上川管内東神楽、宗谷管内中頓別、枝幸、歌登の計5市町で、メスも認める

3)空知管内北、南幌、長沼、月形、浦臼、新十津川、妹背牛、秩父別、雨竜、北竜、沼田、幌加内、稚内、宗谷管内猿払、豊富の十五市町村でオスの狩猟解禁 ― など。

4)他地域は昨年と同じ(1月31日まで)で、生息数の動向に合わせて毎年見直す。 ― というものです。

 道東の根室地方の猟期が延長されなかったのは、同地方のエゾシカ数が、すでに最盛期より減少しているためです。

 また、ハイタワー方式といって、やぐらの上から餌でおびき寄せたシカを撃つ方法の実験が道東の音別などで開始されます。

 ハンター1人が1日に撃てるのは、オスメス1頭ずつか、メス2頭で、2000年度からは、ワシ類の鉛害で問題になった、鉛弾の規制が始まります。
北海道新聞、釧路新聞の記事を参照しました。

[レイアウト・文章改訂、写真更新:2002年1月27日、8月12日]

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