エゾシカとの共生

「斜里エコロード」:網走開発建設部の試み

エコロードのパンフレット  北海道開発局網走開発建設部のホームページの中に「斜里エコロード」の記述を見つけました。
 斜里町真鯉の国道334号線に種々の設備を設けて、エゾシカとの衝突事故を防止しようとする試みです。
 左の写真は同内容のパンフレットの表紙(端を少しトリミング)です。
 その説明はとても詳細なもので、興味をひかれ、見て来ました。

 その他に阿寒町オクルシベの国道240・241号を含めて、エコロード事業の説明がオンラインの
北海道開発グラフ1998年秋号
に発表されています。

 一例をあげると、ボックスカルバート(Deer Pass)といって、動物が安全に道路を横切れるよう、道路下に動物専用の通路(アンダーパス)を設置するなどで、斜里では橋がそのように工夫されていました。
エコローでの標識
この橋の下を広くして、木を植えて、
動物のアンダーパスにする/2000年8月
 斜里エコロードの最終ページ「エゾシカ交通事故防止4原則」が絵入りで
載っていて、北海道をドライブする人は必見と思います。
 この絵は一時高速道路のトイレに貼ってありましたが、最近は見ません。
斜里のオスジカ
斜里エコロードで、道路へ出て戻れなくなったオスジカ(2001年4月9日)

その他の衝突事故防止対策

国道36号に動物の横断道

室蘭開発建設部苫小牧道路事務所が着工へ


 苫小牧市の美沢地区には、隣の植苗地区のウトナイ湖からつながる湿原と山林が広がり、キツネやタヌキ、エゾシカなどが数多く生息し、クマの通り道にもなっています。しかし、国道36が湿原を貫いて通り、道路横断中に事故に遭う動物が後を絶ちません。

 同開建では「動物注意」の警戒標識を設置して注意を呼び掛けていますが、効果が上がっていないのが現状です。そこで99年度からの両地区の国道の4車線工事に合わせ、抜本的対策として、動物専用の横断道の設置工事を、2001年度から着手することになりました。

 設置されるのは、ペンケナイ橋の下。現在は橋の下の川に川岸はありませんが、橋の長さを10mから27mに延長し、高さを1.8mに上げて、動物が通れる川岸を確保します。さらに、身を隠せるようなやぶを造ることで、動物が国道を横断する際、自然とこの道路を通るようにします。
 2004年度完成の予定で、事業費は約6億円の見込みです。

2000年10月8日北海道新聞より

根室市和田の"エゾシカ回廊"

道道花咲港温根沼線のシカ専用橋


 2000年10月16日の北海道新聞夕刊一面に、心楽しい大きい写真が載っていました。根室支局通信員・倉又良春氏の署名入り記事で、写真は道路の上にかかった木を植えた橋の上を、10頭くらいのシカが、列をなして渡っているものです。

 記事によると、2000年春開通した道道花咲港温根沼線は、シカ道と思われる場所を横切るため、釧路土木現業所根室出張所が長さ10mの覆道を設置し、上をシカ専用道として土砂を敷き針葉樹を植えました。
アッパーパス  道路沿いにはフェンスが張られ、シカは橋に誘導されます。(写真は2001年5月撮影:シカは渡っていません)。

 同出張所は「シカの利用はこれまでも確認している」といっています。

 シカの移動ルートを守り、交通事故を減らすためのシカ専用道は、アンダーパス形式を上で紹介(エコロード)しましたが、こうした設備が増えると、本当に野生動物との共生が現実化します。

食害問題に対しての試み

 1999〜2000年の冬に、阿寒地方の民有林で、シカの樹皮はぎの食害を避けるため、パルプや塩などの合成飼料を与える試みが、テレビ報道されました。食害による被害額より、餌代の方が安かったという話で、こういう試みが増えていくのではないでしょうか。

 また、十勝のかんの温泉では、宿がシカに給餌し、それを滞在客が露天風呂から見て楽しんでいるのが、やはりテレビ報道されました。
 もともとシカの多い所ですので、観光客の増加に役立てば、餌代は十分に元が取れるというものです。

[リンク確認・変更、レイアウト改訂:2002年1月27日]

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