キタキツネの子供
キタキツネの子供(2001年5月11日/鹿部駅付近/写真提供:Hiroko U.さん)

キタキツネ;観光キツネの行く末は?

霧立峠のキツネ
車を止めると餌を貰いに来るキツネ(霧立峠で/2002年6月29日)
 観光地の道路のカーブなどで、道端に座っていて、車を止めると、走って餌をもらいに来るキツネを「観光キツネ」といいます。
 とても愛らしい光景ですが、いくつも問題を含んでいます。

 キツネに餌を与えると、
1)餌を取る能力がなくなる。
2)人が与える餌が、栄養的に動物の体に悪い。
3)車との事故が増える。
4)エキノコックス症に感染する可能性がある。

エキノコックス症について

 エキノコックスとは小さいサナダムシの1種で、キツネや犬が最終宿主です。この卵を食べた野ネズミの体内で幼虫が増殖し、野ネズミを食べた動物の体内で成虫になります。ヒトはネズミと同じ中間宿主ですから、ヒトの便には卵は排出されません。
 ヒトの体では殆どが肝臓に寄生し、袋を作ります。潜伏期間が数年あります。現在年間の新患者(認定者)の発生数は10名前後です。私も外科医時代に一人手術して、うまく取れました。

 沢水を生で飲んだり、ノイチゴなどを洗わずに食べるのは、理論的には危険と思われます。
 エキノコックスに関しては、一般向けが北海道のホームページ内の、エキノコックス症の知識と予防に、あります。絵入りで解りやすいです。
 もっと詳しいものは、北大獣医学部寄生虫学教室のホームページに、北海道におけるエキノコックス症という13ページにわたる文書があります。
 絵や図表をたくさん使っていて、読みやすい記述です。

 興味のある方は、環境動物フォーラムをご覧下さい。北大大学院獣医学研究科寄生虫学教室の神谷先生が代表の、エキノコックスなどのフォーラムです。講演会の案内やリンク集もあります。

鹿部のキツネ
鹿部のキタキツネの子供(鹿部町/2002年6月8日)
車を停めたら、ビューッと逃げて行きました。

人の食事とキツネの病気

 この頃キツネを、前ほど見なくなったような気がします。
 周りの人に聞くと、そうだと言います。
あやしい  サイト「北海道の大自然の中で」の、「色々な話」にスナック菓子などの人間の食物を、餌にしたのが原因で、キツネが病気になり、減っているのだと書いてあります。
 高カロリー食は腸をこわして、キツネの免疫力を低下させ、「疥癬」という寄生虫による皮膚病になります。これが重症になると命取りになるのです。
 写真は温根湯温泉北きつね牧場で、2001年5月に撮ったものですが、前足の毛の抜け具合が毛代わり時期とはいえ怪しい。
 キツネは残飯などもあさりますので、ヒトの近くに出てくれば病気になる、とはとても不幸なことですね。

 冬に、石勝線の特急の窓から見た大きなキツネは、雪の降る森の中を颯爽と歩いていました。夏に道南のトンネルですれ違ったキツネは、汚く痩せていました。
 観光土産で圧倒的な人気のキタキツネですが、その内キツネ牧場でしか、見れなくなるのでしょうか?
威嚇するキタキツネ
威嚇するキタキツネ(美幌町/2003年10月13日)これこそ野性の姿?
写真提供:ばいかだ(「わいるどほーむ」:閉鎖されました)氏

[リンク確認、レイアウト改定、ばいかだ氏提供の写真と差替え:2004年1月18日、
環境動物フォーラムの記述を追加:2004年2月29日、リンク修正:2005年10月29日、
リンク再修正:2006年10月17日]

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