近所のスズメ
身近な野鳥「スズメ」:今回の画像は内容とは無関係です。

健康診断の結果の見方・考え方(平成20年版)2

脂質の話

 脂質検査では、血液中の中性脂肪、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロールなどの種類があります。
 異常がある状態を以前は高脂血症と言いましたが、2007年から脂質異常症と改められました。自覚症状が余りないことが多く、放置しておくと種々の生活習慣病を引き起こします。

中性脂肪

違うって・・  主に食事から吸収されます。高い値の時は、余ったものが内臓脂肪や皮下脂肪や肝臓の脂肪として蓄えられ、肥満、脂肪肝、糖尿病などを促進します。また、悪玉のLDLコレステロールを増加させるので、動脈硬化を進め、脳卒中や心臓病の素地を作ります。
 検査前の食事の影響を受けます。すごく高い値の人は、その週に宴会生活をしていたのか聞くとたいてい当たります。甘いものやお酒を取り過ぎると、高値になる訳ですから、質素な食生活に切り替えれば減少できます。
 果物の取り過ぎも原因となります。
 150mg/dL以上で異常とされます。

総コレステロール

 コレステロールはホルモンや細胞膜の材料として必要ですが、多過ぎると動脈硬化が起きます。
 高コレステロール血症を放置している人には「早く呆けますよ。呆けてしまうと本人は楽だけど、周りが困ります」と脅しています。追い討ちは「この頃、物忘れしませんか?」と聞きます。ドキッとする人が多いよう。私なんかすごく物忘れするけど、コレステロールは正常です・・・。
 220mg/dL以上が異常です。

LDLコレステロール

 平成20年4月からの特定健診の開始と共に必須検査項目となりました。
 LDLコレステロールとは悪玉コレステロールのことで、血管の内側にたまってアテローム硬化、動脈硬化を起こし、脳梗塞や心臓病の原因になります。
 140mg/dL以上で異常です。

HDLコレステロール

 血管にたまった悪玉コレステロールを取り込んで、肝臓に持ち帰る働きから、善玉コレステロールと言われます。これは低い値の時が危ないわけです。
 青魚(アジ、サバ、イワシなど)に含まれると言われますが、魚をよく食べても低値の人もいます。有酸素運動がHDLコレステロールを増加させます。
 40mg/dL未満が異常です。

肝機能の話

函館のスズメ  肝臓は食物から摂った栄養を、使えるように作り直したり、老廃物や有害物質を分解無害化して排泄したり、ビタミンなどの貯蔵、活性化にも重要な働きをしています。
 重要な臓器ですから検査項目も多く、一般健診で5項目、人間ドックでは11項目の検査が実施されます。ここでは代表的な3項目についてのみ、説明します。

GOT

 下のGPTと同じで、血液中の微量酵素で、肝細胞が壊れて出て来ます(逸脱酵素)。肝臓障害があると上昇します。お酒でこれが上がっているなら、肝臓は苦しがっているのですよ。

GPT

円山の子スズメ  GOTとちょっと違う点は、肝炎で敏感に動きます。
 特筆すべきは、脂肪肝ではGOTが殆ど動かないのにGPTだけ上昇します。霜降り肉とか高級和牛の話をすることにしています。牛はお酒を飲まされ、運動しないのです。正常値以内でも段々上がって行き、体重も増えているなら要注意です。
 GPTの本当の正常値(理想値)は一桁との説があります。薬(肝臓に影響する薬は多いです)もお酒も飲まない女性に一桁の人が多いようです。

γ-GTP

 アルコール性肝障害で上昇するので有名ですね。とても個人差があります。健診前に禁酒して、この値を良くしようと思ったら、一ヶ月以上の努力が必要だそうです。
 肝炎、脂肪肝でも上昇が見られます。

代謝系検査の話

近所のスズメ  体内での物質の化学変化を代謝(たいしゃ)と言います。糖代謝では血糖、尿糖とヘモグロビンA1c、プリン代謝についての尿酸の値を調べます。プリン体とは、細胞の核を構成する核酸の成分です。

血糖

 すい臓で作られるインスリンというホルモンが血糖を調整していますが、これが血糖を処理出来なくなって、血糖値が高くなったのが糖尿病です。先天性のものを除くと、食生活でのエネルギーの摂り過ぎが主な原因です。
 糖尿病は怖いのは合併症が起こることで、血糖値が高いと(自覚的には喉が渇いて、よく水を飲むようになります)、血管や神経に障害が出て、目や腎臓、神経がおかされます。
 直りにくい病気なので、早期に対応し、生活改善で予防することが大切です。

ヘモグロビンA1c

 血糖は食事の影響を受けますし、空腹時の血糖が低くても食後の血糖が異常に高くなる人がいます。
 ヘモグロビンA1c(エーワンシー)は食事や運動には影響されにくく、過去1〜2か月前からの平均的な血糖のコントロール状態を教えてくれます。

尿酸

流山温泉のヒマワリ畑のスズメ  新陳代謝で古い細胞が分解して出来る老廃物が尿酸です。
 食物中のプリン体も吸収されると体内で尿酸になり、血液中で増えてきます。尿酸は水に溶けにくいので、血液中で結晶になり、関節にたまって(足の親指の付け根が多い)痛風に、腎臓にたまって尿酸結石になります。何れもものすごく痛い病気です。
 肉やアルコールは尿酸を上昇させます。焼肉でビールと言うのが最悪のパターンです。女性は尿酸が上がりにくいので、先ず痛風の心配はありません。

 尿酸の話は、何れ独立してページを作りたいと思っています。

結果の評価

 健診結果の評価は、健診機関によって言葉は違いますが、重い順に「要治療」、「要精密検査」、「要再検査」、「要経過観察」、「(軽度の異常で)心配なし」、「異常なし」になります。
 後3つは心配ないですが、「要再検査」になったら、手をうつ必要があります。

参考文献:(財)社会保険健康事業財団「健診結果のわかる本」

[平成20年版に改訂:2008年11月1日、写真3枚追加:11月2日]

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