頭で食べる

頭で食べろ

 私たちは今、人類がかって経験したことのない飽食の時代に生きています。従来の「量」を重視する、エネルギー摂取中心の栄養学は、食べ物に不自由していた時代の名残に過ぎません。
 これに対し、「質」と「食べ方」を考えた栄養学が健康を作る現代の食の基本と言えます。
 頭で食べろ、という言葉がとても重要な意味を持ってきます。

 「君がどんなものを食べているか言ってみたまえ、君がどんな人間であるか言い当ててみせよう」
19世紀のフランスの生理学者で、超一流の食通家ブリヤ・サバランが著書「美味礼賛」の巻頭に書いた有名な言葉です。人間の体を構成する30兆ともいわれる細胞は、食物として摂った材料から組み立てられています。中国で言う「医食同源」という言葉も、食事と健康のかかわりを現しているわけです。

医食同源

 医食同源には2つの重要原則があります。現代社会の食生活のヒントがあると思われるので紹介します。
まな板の?  一つは「身土不二」の原則。自分が住んでいる土地の、その季節に採れた旬のものを食す、という考えで、「三里四方の季節の野菜を食べろ」という我が国の言葉と相通ずるものです。
 もう一つは「全体食」という原則。完全な生命、例えば魚なら頭から尻尾まで、米なら胚芽から糠まで、全体を食すべきという考えです。これは自然環境の循環性=相互転化という食養論の根幹をなします。

 食べたいものを好きなだけ食べ、健康を損ない、生活習慣病に悩まされるとしたら、ビタミンCの発見者S・ジェルジがいう「人間は悪食のサル」の実証以外の何物でもありません。

この項は、中央労働災害防止協会「発見!あなたの健康プラン
〜新版 働く人の健康づくり〜」(平成11年)を参照しました。

賢い食生活

成人病予防のための食生活指針 厚生省1990

●いろいろ食べて生活習慣病予防
 主食、主菜、副菜をそろえて、目標は1日30食品
●食事はいつも腹八分目
スイカ ●運動十分で食事を楽しもう
●減塩で高血圧と胃がん予防
 塩辛い食品を避け、食塩摂取は1日10g以下
 調理の工夫で無理なく減塩
●脂肪を減らして心臓病予防
 脂肪とコレステロール摂取は控えめに
 動物性脂肪、植物油、魚油をバランス良く
●生野菜、緑黄色野菜でがん予防
 生野菜、緑黄色野菜を毎食の食卓に
 食物繊維で便秘、大腸がんを予防
 野菜、海藻をたっぷりと
●カルシウムを十分とって丈夫な骨づくり
 骨粗しょう症の予防は青壮年期から
 カルシウムに富む牛乳、小魚、海藻を
●甘い物はほどほどに
 糖分を控えて肥満を予防
●禁煙、禁酒で健康長寿
 禁煙は百益あっても一害なし
 百薬の長アルコールも飲み方次第

これは少し常識的過ぎたので、もっと卑近な話を以下に…

賢い食生活のあり方

1 空腹時には買い物に行かない
2 食品は見えないところに貯蔵する
3 ゆっくり手間をかけて調理する
4 おかずの一緒盛りをやめる
5 食事をする場所を決める
6 決まった時間に規則的に食事する
7 早食い・ドカ食い・ながら食いをやめる
8 残飯は速やかに捨てる

これなら守れそう…?

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