近くで撮影できたコクガン
近くで撮影できたコクガン、舟揚げ場で(2007年4月8日/函館市)

逃げないコクガン

コクガンの越冬地について

 天然記念物コクガンは函館沿岸が日本では最大の越冬地です。コクガンについては既に 函館近海のコクガン渚にてコクガンとの共生 を発表しました。
 「函館湾周辺沿岸」が環境省選定の 日本の重要湿地500 の60番に指定されていることは前作に書きました。しかしコクガンの越冬地についてはよく判らない部分があります。

こんな風に採食します。
こんな風に採食します
 2007年4月8日(日)に恵山方面にドライブに行き、帰りは海岸線を通りました。こちらを地元では下海岸と言っています。もういないと思ったコクガンがまだ少し残っていました。
 逃げられることが多いので写真を撮りながら近付きました。浅瀬で海草を採食します。

岩の上のコクガン
岩の上のコクガン、幼鳥のよう(2007年4月8日)

 岩の上のコクガンに近寄りましたが、いつものようには逃げません。こんな鳥です。マガンより10cmくらい小さいガンで雌雄同色です。幼鳥は褐色っぽくて、首のレース模様も目立たず、羽に線状の模様が見えます。写真は幼鳥だと思います(トップの写真は成鳥です)。

海上のコクガン
海上のコクガン
 コクガンは繁殖地であるシベリアなどの北極海から、秋に渡り中継地の道東の風連湖や野付湾に数千羽単位(最大5千羽)に渡来します。大部分は朝鮮半島や中国大陸に渡るようで、冬鳥として日本にとどまるより旅鳥として通過する方が多いのだと思います。そのため秋や春のカウントが多くなるのでしょう。

海上で採食しています
海上で採食しています
 約1500羽前後が北海道南部や東北地方で越冬します(年によって差があります)。コクガンはマガンやヒシクイと共に、1971年に国の天然記念物に指定され、環境省・レッドデータブックでは「絶滅危惧U類」(絶滅の危険が増大している種)になっています。
 その貴重なコクガンが、野付半島で多数越冬していることが最近判って来ました。

泳ぐ5羽のコクガン
泳ぐ5羽のコクガン、左奥はカルガモ(2007年4月8日)

 「天然記念物コクガン、野付半島で大量越冬(2006年5月30日)」<理科かわらばん(リンク切れになりました)。2005年から北海道新聞の記事になっているようです。
 黒い目立たない鳥で、干潮時以外は沖合いにいるのが普通です。JRに乗っていると伊達市の海岸を走行中に時々コクガンを見ます。越冬数のカウントは長い海岸線を考えると不可能だと思います。
 また日本全国から目撃情報が見られ、移動中のものは内陸の宮島沼などで目撃されることもあります。

こっちへ泳いでくる
こっちへ泳いでくる
 人馴れしているのか、無視しているのか、このコクガンたち、写真を撮っている私の方に泳いで来ます。
 こんな経験は初めてです。コクガンは逃げる、遠ざかるものだと思っていました。

舟揚げ場で

舟揚げ場で餌を食べる
舟揚げ場で餌を食べる一羽
 一羽だけ舟揚げ場で餌を食べていました。
 干潮なので大部分が水から出ていて、楽に餌が採れます。トップ写真もこのコクガンです。

海を見ている?
海を見ている?
 顔が黒い鳥で、白黒2色なので、とても露出の難しい、撮りにくい鳥です。
 どれだけ近付けるか、写真を撮りながら、ゆっくりコクガンの方に寄って行きました。
 そろそろ私が気になって、海の方へ逃げようと考えているのでしょうか、海を見ているようです。

とうとう海へ入って行きました
とうとう海へ入って行きました
 ついに決心したように、海へ入って行きました。
 こんな近くまでそばへ寄れたのは、初めての経験です。
 大陸まで越冬に行ったコクガンが北へ帰るときにもこちらへ寄るそうですが、そんな世間慣れしたコクガンなのかも知れません。

[作成:2007年4月22日]

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